さようなら美しい伶美うららさん

宝塚歌劇団所属の演出家、上田久美子さんから、
彼女の演出した舞台で退団する娘役スター伶美うららさんへ贈られたことばが、
あまりにもエモくて、美しくて、優しくて、
一人では抱えきれず、うららロスで明日から普通の生活を遅れそうにもないので、

勝手ながら彼女の退団に際し、その言葉をブログにまとめておきます。


娘役の頂点の座に最も近いと言われながら、
2017年11月19日、ひとりの娘役として、娘役で1番大きな羽根を背負うことなく宝塚歌劇団を退団したわたしの大好きな人へ。



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伶美うららの舞台から喜びをもらった人が大勢いて、伶美うららのおかげで面白くなった舞台がたくさんあった。宙組であなたは必要な存在だった。」


「その美しさはいつも創造力を刺激してくれた。」


「美しさだけは本人の才能が全て、私たちには彼女のような娘役が必要だった。」


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「運命は最後には受け入れるべきものであるにせよ、最後まで闘うべきものでもあるはずだ。」




「さようなら、私たちの綺麗な人」



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「歌劇」十一月号
伶美うららを送る言葉」より。


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「忘れ得ぬ恋にこそ相応しい彼女の美しさを、人が長く覚えていておいて欲しいと思う」



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神々の土地、公演パンフレットより







こんなに美しい送別の言葉を劇団の演出家から送られている彼女だけど、

わたしは今まで伶美うららさんへのたくさんの誹謗中傷の言葉をみてきた。
彼女の技術、容姿、誰がその目でみたのかわからないけど、性格や周りの人との関係まで。


有力候補と言われながらトップ娘役になることの無かった彼女については様々な憶測も飛んだし、
あまりよくない感情を向けられることも少なくはなかったんじゃないかと思う。



でも、私が観た彼女は、舞台に立っていると誰よりも美しくて、優雅で、そして心に残るお芝居をする人でした。



そのお芝居は本当に、初めて観たときからそう思ったのだから、きっと贔屓目なしに。
宝塚の他の誰とも違うものだとおもう。


彼女が役に近づいたのか、役が彼女に近づいてきたのかわからなくなる。そんなお芝居をするひと。
役と演者の境目がわからないという言葉もあるけどそれとは違う気がする。
舞台を降りると彼女はそのままいつもどおりの、関西弁でゆっくりと話すうららちゃん。



実在した歴史上の人物も、想像で作られたコミカルなキャラクターも、時にはメッチャ美人なギャルの死神見習いとかいうムチャクソな設定(すみません)だって、
彼女が演じれば客の目の前に美しく再現される。


そんな説得力のあるお芝居は、
きっと上田久美子さんの言うとおり、
「不器用ながらも素直」な彼女が何度も壁にぶつかりながら、私たちに魅せてくれた役として生きた姿なんだと思うと、
また、彼女の素晴らしい努力に胸が熱くなる。





伶美うららさんは確かにとても綺麗な人だけど、

…ていうかメッチャかわいいしスタイルもいいし笑顔で人を瀕死にさせちゃいそうな美人だけど!!!



彼女の容姿が宝塚歌劇団のなかで飛び抜けているわけじゃないとおもう。
宝塚ってほんとに、綺麗な人、可愛い人はたくさんいるから。


容姿の美しさでも、所作の美しさでも、声の美しさや芝居の美しさでもなく、

「美しく役と舞台を生きること」
そのための努力と素直さが、彼女の他のひとより飛び抜けているところなんだと思う。




なにかに一生懸命になって生きている人はみんなそれぞれ美しいんだと、
全ての役を一生懸命に生きる彼女が教えてくれた。





同じく「歌劇」の伶美うららを送る言葉で、
宙組組長、寿つかささんの言葉もまた優しさに溢れていたので。以下。



「ゆうりの美しさは、顔かたちの美しさだけでなく、あなたの生き方、
どちらかと言えば器用はでないあなたが、色々な事に正面から向き合い、人知れず努力を重ね、ここまでたどり着いた、そんなあなたの生き方がもたらしたものだと思います。」

「あなたをより美しい人にしたのは、あなたの内面の美しさでした。」


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※「ゆうり」というのは伶美うららさんの愛称




そしてもう一人、私が天才だなあと思った、メッセージも。
いろんな公演で相手役としてペアを組むことが多く、うららちゃんをとても好きでいてくれた、2期先輩の男役、愛月ひかるさんからのメッセージ。
(これは文面ではなく彼女の口から聞いたのものなので出典があるとは言えないのだけど…)


「ゆうりちゃんがいたから、わたしは男役を好きになれた」


今回の退団公演でのイリナの台詞
「あなたがいたから、わたしはこの国を好きになった」にかけて、


今や宙組の3番手として確固たる地位を築きつつある愛月ひかるさんも、うららちゃんと新人公演で組んでいた頃は、自分に自信がなかったと振り返っていた。



ここまで言わせる娘役は他にいないよ!!!ゆうりちゃん!!




わたしも、伶美うららさんがいたから宝塚を好きになって、
伶美うららさんがいたから宙組のお芝居を好きになったんです!!!



あなたの美しさはいつも特別でした。
たくさんの人に愛されながら、認められながら、

あなたが宝塚を去るんだと忘れないでください。


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さようなら、麗しの伶美うららさん。


1番大きな羽根を背負っていなくても、あなたは私にとって誰よりも素敵な娘役スターでした。





~11月21日追記~



大事なことを書き忘れていました!!


涙ぐんでも許される。そんな瞬間でも、幕が舞台に降りるさいごまで微笑んでいたうららちゃんの、舞台人としての姿が好きだから、


退団してまずはゆーーーーっくり休んで、今までできなかったことをたくさんして、
たくさん遊んでたくさんたべて、ちょっと太ってもいいし!!(笑)


自分の時間を楽しんでパワーをたくさん貯めて、そのあと、
うららちゃんがまた舞台に立ちたい、お芝居がしたいと思ってくれるなら、
わたしはどこにだって観に行かせていただきます!


また、伶美うららさんに会えますように!!!